BEETHOVEN:Piano Concerto 5 & 0
Boris Giltburg, Vasily Petrenko , Royal Liverpool Orchestra
2013年のエリザベート王妃国際コンクール優勝者のボリス・ギルトブルグは高い芸術性と技術力を兼ね備えているので新譜はいつも注目している。ベートーベンイヤーに制作されたベートーベンソナタ全集も高評価を得ていた。今回はベートーベン協奏曲集の続きで5番と0番。0番としてあるのはベートーベンが13歳の時に書いた作品(WoO.4)で管弦楽の部分は既に失われており、このアルバムでは残されたそのソロパートを弾いている。
使用しているのはファツィオリ。1981年という新興創業ながら最新の理論とテクノロジーを屈指した全面手作りで、プロ用高級グランドピアノしか手がけない。著名コンクールで使用される率が高くなってきており、2021年ショパンコンクールの優勝者ブルース・リウもファツィオリだった。
ギルトブルグは小柄な人で大人しくて如何にも繊細な芸術家というタイプなのだが、意外にも力強くダイナミックな演奏が魅力だと思っている。数年前に会話した際に服の上からでも上半身、特に肩にかけての筋肉が発達しているのがわかったくらいでトレーニングを欠かさないのだろう。
このアルバムでも若々しくエネルギッシュな解釈の5番を聴かせてくれている。
2022-340
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