MARIN MARAIS: Le Grand Ballet

Ronald Martin Alonso (Viole)

キューバ生まれのヴィオール奏者ロナルド・マルティン・アロンソは古楽器で現代音楽を演奏するなど前衛的なこともやっているが、本業は古楽で自らのアンサンブルを率いてヴィオール(ヴィオラダガンバ)の可能性を追求している。このアルバムではフランスの作曲家マラン・マレ(1656-1728)のヴィオール作品集より第三巻を取り上げている。マレと言えば『膀胱結石手術図』という自らの結石手術の体験を寸劇ふうにした変わった曲があり、想像するにつけ痛そうな場面と手術前の逡巡する気持ちなどがよく表されておりその印象が強いのでよく覚えている。何しろ当時は麻酔なかったですから。

ルイ14世に宮廷ヴィオール奏者として使えた名手であり作曲家、指揮者としても成功したマレの有名なヴィオール曲集は第五巻まである。この第三巻は第一巻、ニ巻と比べて高難度の技術を要求していないのは、当時の一般のヴィオール愛好者が弾ける程度に難度を落として書いたそうだ。そのせいか超絶技巧的なところはなく、ヴィオールが朗々と歌う親しみやすい旋律が多く、シンプルがゆえに楽器の魅力がよく引き出されていると思う。ただ、それでも難しいらしい。

2022-569


Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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