Fuga Y Misterio (Vibraphone)
Simone Rubino, Percussion
17世紀のバロックの代表バッハと21世紀のピアソラのどこに接点があるのか。Simone Rubinoの打楽器奏者として感じるところは、そのリズムなのだという。一見全く違うと思われるこの2人の作品をヴィブラフォンで演奏しているわけだが、チャレンジしているのはそれだけでなく、伴奏しているのは古楽器楽団ということでこの古い楽器が醸し出すややくすんだ音色とヴィブラフォンのモダンな響きが意外や意外、組み合わせの妙を味わえる。また、ピアソラではそれに、これまた新しい楽器であるバンドネオンが加わって異種格闘技のような様相を呈している。楽団も古楽器でピアソラを弾くことになるとは思わなかっただろう。ディレクターのeduard eguezもこの取り合わせのプロジェクトアイディアに最初は戸惑ったようだが、バッハもピアソラも音楽という同じ言語なのでそこは問題はないとして取り組んだようだ。アーティストのイマジネーションが生んだとても魅力的な未知との遭遇。
2022-594
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