Beethoven,Vorisek, Archduke Rudolph of Austria

Duo Bruggen-Plank (Audex)

題名を見てArchduke Rudolph of Austria とはいったい誰だろうと思ったのだが、ベートーベンの弟子であり且つ最大のパトロンとして庇護をし続けたルドルフ大公の事だった。大公は長年のベートーベンの指導を受けピアノはかなりの腕前であり、また自ら作曲もよくしたというのは知っていたが作品を聴くのは初めてだった。ヤン・ヴァーツラフ・ヴォジーシェク(1791-1825)はボヘミア出身で同時期のベートーベンとも交流を持ち大きな影響を受けたという。ここで取り上げられている曲はルドルフ大公に献呈されたもの。そして、ベートーベンのヴァイオリンソナタ10番。最高傑作と言われる『クロイツェル』の次に書かれたこの曲はフランスの名ヴァイオリニスト、ロードがルドルフ大公を訪問するに際してお二人が和やかに演奏することができるような心配りをして作曲したもので、もちろん大公に捧げられている。このように三人の音楽家の繋がりを軸にして滅多に演奏されない珍しい曲も興味を持って聴けるなかなか面白いアルバムだった。

2022-634

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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