MONDONVILLE: Trio Sonata Op.2
Ensemble Diderot, Johanes Pramsohler (Audex)
ジャン・ジョセフ・ド・モンドンヴィル。1711年生まれのなのでフランスバロック最高の作曲家と言われるラモー(1683-1764)より1世代若い世代のフランスバロック後期を代表する作曲家。その少し前にはマレとかクープランがいて最近はこの時代のフランス音楽は随分と再評価されているようだ。1650〜1750年ごろにかけて盛んに作られたフランスの音楽は17世紀のルイ14世治世をピークに強力な宮廷を背景に金をかけて大規模な楽団を持つ事も可能だった。そこが中規模領主の集まりであるドイツ、都市国家主体でまたカトリックの典礼縛りもきついイタリアとは音楽が育まれた土壌が違う為に同じバロックといいつつも他の地域とは違った音楽の発展の仕方をしたのは当たり前ともいえる。
モンドンヴィルは貧乏貴族だったが好色で名高いルイ15世の治世下公妾ポンパドール夫人に認められて大変な成功を収めた。今でも『グラン・モテ』という曲は有名で録音はいくつもあるがそれ以外の曲は今となってはほとんど知られていない。このトリオソナタop.2の1番から5番も世界初録音となる。イタリアの影響を強く受けた親しみやすく軽やかなメロディが明らかにドイツ系とは違いラモーを彷彿とさせる和声の美しさも特徴的な知られざる良い曲といえる。2番と5番はヴァイオリン部分をトラヴェルソ・フルートにしており楽器が変わる事で雰囲気がより優しくなっていていい感じだ。
演奏はヨハネス・プラムゾーラーと彼のアンサンブルであるディデロット。自分の気に入った音楽をやるためにこのAudexというレーベルを興して知られざる曲を世の中に紹介している貴徳な音楽家だ。
2022-1289
0コメント