Emilie Mayer Symphony 1 & 2

NDR Radiophilharmonie Leo McFall (CPO)

 

1812年ドイツ生まれのMayerは音楽家としては遅咲きで30歳になってから高名な作曲家カール・レーヴェの元で本格的な作曲家活動を行うが、その1842年に最初の作品を発表するとすぐに脚光を浴び、その後も実力で高い評価を勝ち取り続け幸せな作曲家人生を歩んだそうだ。

アルバムの二つの交響曲は1947年に発表なので、まだレーヴェの元で学んでいた頃だが、既にそれより前に出来上がっていたと言われている。レーヴェは彼女の才能が抜きん出ているのを見抜いていたため、他の生徒と一緒の指導はしなかったのだが、この作品を聴けばそれもうなづける。

第一交響曲は、古典派の枠組みでコンパクトにまとめられている割にダイナミック。その中で多くのImaginationを詰め込んである。ブラインドでこれを聴いたら、シューベルト? シューマン? メンデルスゾーン?でも違うな、と思うだろう。つまり、同時期の男性陣に引けをとらない出来で、個性もある。

第二交響曲は、より大きいフレームを持つ壮大な作品。美しい主題を中心に、緩と急が繰り返しやってくるのと同時に、長調と短調が入れ替わる。緊張と安寧の連続で集中力を切らさない。第4楽章、急に入ってくるヴァイオリンとチェロの独奏も当時としては独創的。1も良かったが2もそれ以上に良かった。Mayerは8つの交響曲を書いたので他の作品も聴いてみたい。

当時は女性の地位の問題で、女性音楽家自体少なく、ましてや作曲家となると数少ない。同年代には、ファニー・メンデルスゾーン(1805−1847)、クララ・シューマン(1819ー1896)がいるが、作曲した作品が評価され録音が多くなってきたのは最近である。なお、この2人は交響曲は書いていない。女性作曲家である米のAmy Beach, 英のエセル・スマイスの先駆けと言ってもいい。今後、きっとMayerの作品はより多くの演奏機会と録音が出てくるであろう。

2021−723


Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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