Clara Haskil, Mozart Piano Concerto No.19&20

Clara Haskil , Henry Swoboda, Winterthur Symphony Orchestra.  (Archipel Records)

ヒストリカル作品に特化しているドイツのArchipel RecordsからのNew Release。元々はWestminsterレーベルの録音でいくつかの再販が他レーベルからも出ているが今回の特徴は48Khz/24bitのHi-Res。

Hi-Resにしても1940年から1950年代初頭のものは格段に音が良くなるわけではないが、雑音を極力抑えたり、その上で楽器を際立たせるようなマスタリングをするため原盤に比べると聴きやすくなる。Archipelはモノによってはそれを越えて、素晴らしくいい音で蘇らせてくれるアルバムがある。Karl BoehmのMozart 39,40,41再販は、Hi-End Restoration Technologyとわざわざジャケットに書いてあり、その音質はびっくりするほど良かった覚えがある。

今回のハスキルについては、原盤は1950年9月Swobodaとの録音。ハイレゾ化されているので、この年代(1952年ぐらい)のハスキルの他録音と比べてもストレスなく聴ける。

ただ、20番については、Philips1960年Igor Markevitc指揮というモーツアルト協奏曲録音史上に名を残す名アルバムがあるので敢えてこれを聴く必要はないし、19番については1952年Fricsay(TAHRA)との録音の方が第一楽章で聞こえる多少の雑音に目をつぶればピアノの音質とオーケストラの力量双方で上を行っている。

このアルバムは私のようなハスキル好きというリスナーが聴く分には、その歴史的な意義の確認と他の録音との比較もできて一度は聴く価値がある。

2021-722





Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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