SCHUBERT PIANO SONATAS II

William Youn 

Sony Classical

9月4日グローバルリリース。1979年ソウル生まれの32歳William Younのシューベルトピアノ作品第2集。第1集が2019年ソニークラシカル(SCI)からの初リリースだった。SCIは近年ピアノロースターを増やしていないので上手なだけでなくスター性がないと契約しない。

それもそうだろう、彼はInternational Como Academy Lake Comoという毎年7人しか採用しないという業界ではとても有名なピアノスクール出身。応募は毎年400人ぐらいだそうで、授業料などは全て給付。既に有名オーケストラとだけでなく、ソリストとしてかなりの有名どころであるヴィオラのニルス・モンケマイヤー、クラリネットのサビーネ・マイヤー、チェロのヨハネス・モーザーといった面々と共演してきており実績申し分ない。

SCIで取り組んでいるのはシューベルトのプロジェクト。今回も前作同様CDでは2枚組で5つのソナタを収録。まず、初期の宝石のような美しい作品である4番 D 537から始めている。第2楽章は20番 D 959の主題にそのまま転用されるほどシューベルトが気に入っていた。

D 612を挟んで20番D 959。CDだと盤を変えて18番、19番という後期の傑作ソナタ群三つというそれぞれ35分から45分はかかるヘビーな内容だが、全体として感情を抑え目にして淡々と弾いている中での強弱をつけているのが特徴で、疲れることなく聴き通すことができた。年間1000枚聴く中では途中で飽きないかどうかは重要なポイント。動画でのインタビューを見るととても繊細そうな性格なのでその個性が表れているのだと思う。

非常に評価が高いSCI以前にOHMSレーベルからリリースされたモーツアルト全集を聴いてみたいと思わせる内容だった

2021-716

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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