BOUNDLESS, Beethoven piano works for fourhands

Artur Pizarro, Ronald Zhok (Odradek)  FLAC 96Khz/24bit


ベートーベンは四つの手によるピアノ曲(ここでは連弾という)をいくつか残しているが、このアルバムはその全作品集。全ての連弾作品を集めたアルバムを聴くのは初めてである。

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WoO.67 『ワルトシュタイン伯爵の主題による8の変奏曲』

Op.6 『ピアノソナタ ニ長調』

Op.16 『ピアノと管弦のための五重奏曲』(ピアノ編曲)

Op.74『ゲーテの《君を思う》による歌曲と6つの変奏曲』

Op.45 『行進曲』

Op.134 『大フーガ変ロ長調』 (管弦楽Op.133のピアノ編曲)      

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ピアノ作品全体の中では圧倒的に少ない数の連弾作品だがソロと違う面白みがある。1人より2人、場合によっては3人以上の場合の方が音に深みが出る。また迫力が大きく違ってきてダイナミックなところが魅力。

連弾というとピアノ初心者が先生と一緒に弾くようなものかと思われるかもしれない。確かに連弾の始まりは「先生との練習」からきていると言われるが、2人で弾く故の難しさはある。

何の楽器でも同じだが、ペアで演奏すると楽しみが増すものだ。しかし、意見が合わなくなるとその逆になるというリスクはある。

特に個性のお強いプロになるとなおさらで相性が良くないとまずやらない。

テクニック的には、他者が弾いている音をよく聴いて全体バランスを考え調和を図る感覚が必要になる。

アルトゥール・ピザロは世界で5本の指に入るコンテストであるリーズ国際ピアノコンクールの1990年の優勝者で既に実績も充分。ラフマニノフピアの作品の全曲集、前作今年の3月リリースしたシューマンのピアノ作品集など、外観に似合わない繊細なピアノがとても印象的。

相方のリナルド・チョークはイタリア出身。勿論多くのコンクールで入賞経験を持つ。2人はローマに拠点を持つODRADEKレーベルを通して知り合った。

ポルトガルとイタリア、この強者同士の息のあった演奏が聴きどころである。

2021-756

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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