Nuevo Tango Concertos by Piazzola&Massa(Bandoneon)

Omar Massa Bandneon, Berliner Symphoniker. (Solo Musica) FLAC 48KHz/24bit

今年はアルゼンチンの偉大な作曲家・バンドネオン奏者であるアストル・ピアソラの生誕100年ということで関連するリリースがとても多い。それも、クラシックからもジャズからも。

ピアソラはタンゴというローカルな音楽に他の音楽の要素を積極的に取り入れて革命を起こした。その音楽は伝統的なタンゴというジャンルの枠を遥かに超えている為、ピアソラスタイルとかNuevo Tangoと呼ばれている。

因みに、アルゼンチンタンゴにはお馴染みのバンドネオンというのは、小型のアコーディオンのように見える蛇腹が付いて音を出す楽器だが両者は起源も弾き方も全く異なる楽器である。

このアルバムは、ブエノスアイレス出身の作曲家・バンドネオン奏者オマール・マッサによる自ら作曲した『バンドネオン協奏曲』とピアソラの協奏曲『アコンカグア』など。マッサは既にベルリン・フィルをはじめとした世界中の一流オーケストラと共演をしてきているバンドネオン界では最も有名なアーティストと言ってもいいだろう。

1981年生まれの彼はアルゼンチンで若くして名声を得た後、現在ベルリンに渡り音楽活動をしている。また、ブエノスアイレスとベルリンは姉妹都市だそうだ。そのため、アルゼンチン大使館からの委嘱でこの協奏曲を作ったという。だから、曲名が『ブエノスアイレス=ベルリン』なわけだ。

Nuevo Tangoの伝統をこれからの時代に伝えることを使命としているマッサの曲はいかにも現代風の音楽でありピアソラのまねをしているわけではない。

また、アルゼンチンとチリとの国境付近にそびえたつ南米最高峰の山の名を付けたピアソラ作『アコンカグア』は伝統的なタンゴの要素を持ち、時折現れるバンドネオンのカデンツァが印象的な代表作。

新旧作品を通して、クラシックとの融合の中で情熱と哀愁というバンドネオンの魅力が味わえる内容になっている。後継者がいなかったピアソラだが彼の創ったNuevo Tangoはこのようにして受け継がれていくのだなと感じる。

2021-768






Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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