SCHNITTKE/PROKOFIEV

The Cleveland Orchestra, Frank Welser-Most

シュニトケと言えばBISレーベルが積極的にそのレコーディングに取り組んだことにより作品が広く世界にも知られていったが、これはアメリカの五大オーケストラの一つクリーブランド管による録音でプロコフィエフの交響曲第2番との同時収録。指揮は2002年から音楽監督をしているフランツ・ウェルザー=メスト。

1934年にロシアで生まれたシュニトケがモスクワ音楽学校で学んだ頃はちょうどフルシチョフによる『雪解け』の頃で西側の前衛的な作曲技法がソ連に流入した。つまり、無調、12音階、セリー、テープ編集音楽などのそれまでに無かった音楽技法に触発された。これらの様々な作曲技法を経たのちに、ポストモダニズムとしての『多様式』『ポリスタイリズム』を提唱するようになった。これは過去の遺産・資産と現代の最先端のものを共存させるというコンセプトの作曲方式で、今でこそ自己の現代作品に過去のスタイルを入れ込むことは普通に行われているが100年前の当時ではなかなか前衛的なことだった。

以前に聴いたシュニトケの録音は個人的には聴くに耐えない音の集合体と不協和音の塊で実験音楽のようなものだったので、今回はどんなもんだろうという感じだったが、このアルバムの1979年作『ピアノと弦楽のための協奏曲』はちゃんと曲になっていた。ロマン派的なメロディがあると思いきや次には爆発する不協和音が現れるというように共存、対比が激しい。面白いと言えば面白い。この後に収録されているプロコフィエフの交響曲第2番がとても普通に聴こえた。

2021-906

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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