MENDELSSOHN;Double Concerto for Violin&Piano
Bezuidenhout piano, Freiburger Barockorchester , Von dear Goltz
作曲家というのは大体天才だが、その中でもメンデルスゾーンは大とか超が付く天才の一人でこれぐらいすごいと忘れ去られると言うことはない。名曲である『真夏の夜の夢・序曲』は1826年、17歳の時の作品ということでその成熟度合いにびっくりするのだが、このアルバムで取り上げられている2作品はそれよりももっと早い時期に作られたもの。
『ピアノと管弦楽のための協奏曲』は1822年に書かれたので13歳のとき、第一楽章はモーツアルトみたいなところがあるが、それはほんの少しで主題の独創性や弦楽器との絡みが素晴らしく、もう既に作曲というものが完成されている。第2楽章の穏やかさを持ったユニークな展開など年のころ中学生の子供には書けないだろう。『Double Concerto for Piano, Violin and Orchestra』はその翌年1823年で14歳の時。これらは、メンデルスゾーンが姉のファニーと共に開いていた日曜サロンのために作曲されたようである。両方ともに姉ファニーの演奏で初演されたというが、姉だってその頃まだ10代。相当な腕前ということを想定して作曲されている難しいピアノパートを含んでいる。
聴き始めてすぐにこれはなかなかの演奏だと思い、演奏者を見てみるとフォルテ・ピアノを弾いているのは、C.Bezuidenhoutでバックを務めるのはFreiburg Baroque Orchestraというharmonia mundi レーベルの多くのアルバムに登場してくる取り合わせで、ああやっぱりそうか、良いわけだなと納得した。ソロとこの小規模オーケストラのバランスが絶妙で緊密感を保った演奏に引き込まれる。もともと、メンデルスゾーンの音楽は音と音が緊密な連携を持って構成されているのだが、その特徴をうまく表している演奏で、この2曲も立派な名曲であるということを示している。
2021-912
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