鼓宴・A Revival of Three Kingdoms

須弥楽団(Sumer Musical Ensemble)  (星外星) DSD256

三国演義の有名な場面を元にした11曲からなる組曲。

総発行が星外星、制作が布谷鳥音楽。星外星は毎回優れたアルバムをリリースする中国のレーベル、ディストリビューター。もともとは、レコード、CDを小売店に卸すのが主体だったが既に中国ではCDマーケットがほぼ存在しなくなって久しく、ずいぶん前から事業を制作・レーベルに転換してきた。人材が豊富なのだろう、企画力、録音、ポストプロダクションが優れているので毎回期待を裏切ることはない。言い方を変えるとダサいものは作らない。

今回の制作は中国で多くの優秀アルバムを手がけているプロデューサー張春一が新進作曲家のJAMを起用。JAMは編曲、ミキシング、マスタリングまで手掛けておりその才能の豊かさには驚いてしまう。

題材を三国演義にとっているが、よくある民族音楽には全くしていない。今更それをやることに彼らにとっては意味はないのだろう。オーケストレーションと中国伝統楽器がうまく組み合わさっている。タイトルにあるように特に太鼓がフィーチャーされており鼓手は著名な打楽器奏者YuZhengだが、二胡,琵琶,古箏、笛,馬頭琴も国家を代表する若手のアーティストだ。

その新進作曲家と一流のアーティストを熟練の録音技師陣が支えている。ポストプロダクションのレベルも高くその場面場面が思い浮かぶ映画音楽のような芸術的アルバム。

スピーカーで鳴らすと迫力満点でオーディオ・ファイルも満足できる高レベルのレコーディング。

2022-154

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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