The Last Night of the PROMS

Royal Philharmonic Orchestra 

ドイツのIntense Media/MembranWalletがまとめたイギリスを代表するロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏集。CDとしては10枚組になっており、各ディスクごとテーマにそった曲が収録されている。アルバムタイトルはあくまで『仮想』として付けたものでPROMS音楽祭の最終夜とミス・リーディングだが、内容は意外といっては失礼だけれどもとても良かった。

CD1は偉大なイギリスの作曲家達エルガー、ホルスト等と大英帝国を讃える曲集で聴くと元気がでてくる。CD2は『ツァラトゥストラはかく語りき』全曲、ショスタコビッチの『フェスティバル序曲』チャイコフスキー『イタリア奇想曲』珍しいベートーヴェン の『Battle Symphony』という大規模オーケストラを想定した曲集。CD3は悲しくないオペラの序曲、間奏曲集で興味を持って聴けた。CD4はロマン的なものがテーマで、メンデルスゾーン『真夏の夜の夢』ワグナー『ローエングリーン』ブラームス、シューベルトなどこれも全部良かった。CD5バレエ音楽集。有名な作品のいいとこ取りをしてありもう一度聴きたい。CD6はピアノ協奏曲でチャイコフスキーとベートーヴェンの5番の全曲。このディスクだけは興味なかった。CD7セレナードなどの小品を集めてある。CD8はワルツ、タンゴなどのダンス系音楽集で結構面白い。CD9 シュトラウス・ファミリー集でニューイヤーコンサートを模しているのか。CD10 他の一流オーケストラがあまり積極的にやらなかった映画音楽特集。

ほぼ全て約20年ぐらい前の音源を使っているが、オムニバスにありがちな単純ツギハギではなく選択・曲順がよく考えられている。これを作った編集者はきっと楽しかったのだと思う。また、リマスタリングが優秀で音圧レベルのバランス調節がよく取れているのと、音質が均一なので一つのプログラムをホールで聴いているような企画者の意図通りになっている。気になったので、調べて見ると、この制作レーベルは丁寧な作りで評判がとても良かったフルトヴェングラー125周年107枚組『The Legacy』と同じということがわかった。

イギリスで最も聴衆を集めるオーケストラだけのことはあると納得できる聴いていて楽しい10枚だった。

2022-145/158

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

0コメント

  • 1000 / 1000