HUMMEL: Piano Concertos

Howard Shelley, London Mozart Players.       (Chandos ) 96Khz/24bit

フンメル(1778-1837)と言えば、幼少の頃、ほとんど弟子をとらなかったモーツァルトがその演奏を聴きその音楽性に心を打たれて2年間も住み込ませて指導したことで知られる。また、1770年生まれのベートーベンとは同世代で若い頃はお互いピアノ・ヴィルトゥオーゾとして好敵手でもあった。音楽の教科書に出てくることは無いが存命中はベートーベンと並び立つ音楽家で音楽界に与える影響は多大で200曲余の作品を残しており、最近では全集も出ていて忘れられたと言っては失礼かもしれない。

このアルバムのピアノコンチェルトは1790年代の作品番号1と、かなり後期の1833年に書かれたものなので作風を一言で言うのは適切ではないが、いわゆる古典派と言われるハイドンと師であり敬愛し続けたモーツァルト風な部分が意図的にだと思うが出てくる。また、抒情的な楽章もあって既に浪漫派の息遣いが聴こえてきてまさにその移行期の人なのだなと感じることが多い。

モーツァルトは軽快すぎて、ベートーベンは厳粛すぎて、浪漫派音楽は甘すぎてちょっとという時にはいいかもしれない。なお、最近の研究ではベートーベンの『エリーゼのために』のエリーゼとはフンメル夫人のエリーザベト・レッケルだという説が有力である。夫妻は臨終数日前のベートーベンを見舞うほど終生の友情を保っていた。

2022-475

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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