Violin Unlimited

Baiba Skride (Orfeo)

ヴァイオリン無伴奏ソナタと言えばバッハが最も有名だが、20世紀の作曲家達もこの分野に果敢に挑戦している。ラトビア出身のバイバ・スクリデによる4人の作曲家による近現代の無伴奏ソナタ集。この中で普通に知られているのはヒンデミットだけだろう。チェコのErwin Schulhof(1894-1942)はナチスによって退廃音楽家とされてしまい迫害を受け強制収容所で亡くなった。そんな事もあり200曲あまりの作品を残したが顧みられることは無くなってしまった。ヒンデミットはドイツ人ではあるが第三帝国下でユダヤ人とも分け隔てなく演奏を行なったため作品は演奏禁止になってしまいドイツにいる事はできなくなる。フィリップ・ヤルナッハ(1892-1982)はフランス生まれだがベルリンで長く音楽人生を過ごした。エデゥアルト・エルトマンもまたラトビア出身でピアニストとしても有名だったが、彼もまたナチスの圧力で音楽活動ができなくなった。その為作品数は数少なく今に至るまでほぼ顧みられることはまず無い。これら1900年代前半に作られた曲達だが、バッハ無伴奏の伝統を受け継ぐべく、作曲家それぞれ独自の作風でヴァイオリンの可能性を引き出すような工夫がなされた渾身の作品群。

2022-627

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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