LISZT:Schubert&Wagner Piano Transcriptions

Jean-Nicolas Diatkine (Solo Musica) 96Khz/24bit

フランツ・リストは自作曲だけでも350曲余りの作品を残したが、編曲が得意であった彼はピアノ版だけでもかなりの数を残した。その第一の理由は自らの演奏会の曲目に加えるという目的もあるが、敬愛するベートーベン、シューベルト、また同時代の仲間と言えるワグナー、ベルリオーズらの作品を広く紹介するという意図もあった。今と違って至る所にオーケストラがあったわけでは無いので、偉大な交響曲の作品を手軽に?ピアノ一台で演奏できるようにしたわけだ。リストにとっては手軽だったかもしれないが、例えばベートーベン第9のピアノ版はピアニストに実に大きいエネルギーと長時間の緊張の持続を要求するもので弾き終えるとクタクタになるという記事を読んだことがある。ベートーベンの全交響曲ピアノ版、ワーグナーのオペラの有名な曲のピアノ版は演奏録音の機会も随分多いと思うけれども、歌曲の編曲版というのはあまり知られていないのではないでしょうか。実際には150曲もの他の作曲家の歌曲のピアノ版を残したのだが、その中の50曲余りがシューベルトで占められていて、いかにリストがシューベルトに心惹かれていたかが察せられる。大天才の優れた曲を超天才が編曲するとこうなるという見本みたいで、凄いところはしっかりとこれがリストの音楽になっているところだろう。

2022-767

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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