BACH: 6 Flute Sonatas

Michala Petri, Hille Perl, Mahan Esfahani.   (Our Recordings)  DXD352.8khz/24bit

朝の寝起きにはリコーダーの音楽を流すことが多い。Recorderのつづりをよく見るとrecordにerが付いただけ。この場合のrecordは鳥のさえずりの意味で、もともとは小鳥に歌を覚えさせるために使われたため、まさに早朝にはベストマッチングなのは当たり前かもしれない。

バッハの時代はまだ今のフルートは発明されていなかったので、ブロック・フレーテ=リコーダーのためのソナタということになり少し紛らわしいところがある。

リコーダーをやっている人で知らない人はいないデンマークのミカラ・ペトリがこの曲をrecordするのは1990年代の初めにキース・ジャレットと演奏して以来で、その素晴らしい名盤はキース・ジャレットファンの私ももちろん持ってよく聴いていた。その頃ミカラペトリのことは知らなかった。

キース・ジャレットは現在でも頂点にいるジャズ・ピアニストだが、実はリコーダーも吹くことはあまり知られてはいないでしょう。1990年ごろミカラ・ペトリがカーネギーホールでコンサートをした直後、楽屋にひとりのピアニストが来てキース・ジャレットと名乗ったというがミカラは知らなかったそうだ。『ケルンコンサート』が1970年台なのでその頃はもう既に超有名だったのだが。。コンサートに感激したキースはその後数日を音楽談義をして意気投合しじゃあ一緒に何かやろうということになり、バッハとヘンデルの2枚のリコーダーソナタができあがった。実は三作目としてヴィバルディを予定していたのだがキースの病気により実現される事はなかった。また、レコード会社が違うためECMとColumbiaで交互に権利を持つということにもなったそうだ。という話をミカラ本人から聴いた。ミカラ・ペトリはとても親切な優しい人で数年前にコペンハーゲンを訪れた際にはチボリ遊園地を案内してリコーダーを始めたきっかけなどを話してくれた。

そんな彼女の30年ぶりのバッハ・フルートソナタはヴィオール界で圧倒的な存在感を持つヒレ・パールとの共演でさしずめ女王二人が組んだ豪華なもの。キースとのアルバムはお互いの即興、装飾音などの創造性、ふたつの楽器の緊密な緊張感がみなぎるものだったが、ヴィオールも入れた今回はオーセンティックな演奏で余裕を持って楽しめる内容。録音はDXDで行っているため音質面は最高でコペンハーゲンの教会の残響効果もよく感じとれる。

2022-855

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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