KURTAG : Kafka-Fragmente

 Isabelle Faust, Anna Prohaska  (harmonia mundi) 96Khz/24bit

『カフカ断章』。ハンガリー人のクルターグは1926年にルーマニアに生まれ、20歳になってからブダペストのフランツ・リスト音楽院で作曲を学ぶ。ハンガリー動乱を避け1957~58年にかけて滞在したパリではメシアンやミヨーに師事した現代音楽家。

この『カフカ断章』は、カフカが書いた日記や手紙、遺稿などから40をクルターグ自ら選び、組曲風に4部(I:19曲、II:1曲、III:12曲、IV:8曲)に構成し、ヴァイオリンとソプラノのデュオのために曲をつけたもの。断章なので比較的短く30秒から長くても6分程度、平均すると各曲一分、全体で一時間程。楽曲それぞれに関連性はない。

ドイツ語なので言葉の内容まではわからないが翻訳された各曲のタイトルを見ると大体何についてなのか察しは付く。ソプラノは歌うというよりも楽器の一つのように考えられているようだ。また本来旋律楽器であるヴァイオリンは特殊用法が多く、まるで人の声のようで感情豊か。現代音楽は好んで聴かないがたまにこのアルバムのように理由はわからないが惹かれるものが出てくる。ソプラノはアンナ・プロハスカ、ヴァイオリンはイザベル・ファウストという名手ふたりの絡みはなかなか聴かせるものがあり、この不思議な世界観をうまい具合に演出しているのが一つの理由でもあるのだろう。

2022-1134

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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