Lieder -C.SCHUMANN& F.MENDELSSOHN=Hensel :
Bettina Pahn, Christine Schornsheim (Haenssler )96Khz/24bit
既に優れた作曲家として再評価されているファニー・メンデルスゾーン-ヘンゼルと9月13日が誕生日のクララ・シューマンの歌曲を取り合わせたもの。それぞれの歌曲集は既に録音がいくつもあるが2人だけの組み合わせアイディアは初めてかもしれない。この2人、同時期にライプツィヒに住んでいたわけで当然交流もありお互いの家のホールでサラッと演奏したりもしたのだろう。
ファニーは歌曲だけで約250曲も書いた。弟のフェリックスは80曲ぐらいなのでいかに多作かがわかる。しかも、弟に反対されながらも出版した最初の作品は『6つの歌曲集』なのできっと得意分野だったのだろう。弟名義の有名な歌曲もあるし無言歌の考案者でもある。夫のウィルヘルムはファニーの才能の最大の理解者であり、毎朝、何かしらの詩をピアノの前に置いておくとそれにファニーが曲をつけるというのが日課だったという。テーマを限定せずなんにでも曲を付けることができてしまうようで、才気のほとばしりを感じる。
一方クララはほぼ私的に楽しむことを主としており全部で25曲程度しか書かなかった。もともとそれほど作曲には積極的でなかったが夫のロベルトの後押しは大きかったようだ。ほとんど全て愛の歌で、彼の死後は書くことをやめてしまった。
並べて聴いていくとこの天才二人の歌曲の違いが窺い知れてとても面白い。曲だけでなく取り巻く環境とか作曲の背景などにも興味を惹かれる。歌曲は彼女達の人生の一部だったんだな。
2022-1151
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