BRAHMS Double Concerto,CLARA SCHUMANN

Anne-Sophie Mutter , Pablo Ferrandez

グラモフォン専属アーティストのアンネ・ゾフィー・ムターがソニークラシカルで録音するというとても珍しいリリース。ずいぶん前から才能を認め称賛しているパブロ・フェランデスとの共演だからこそだろう。フェランデスはチャイコフスキーコンクール入賞を初めとして多くのコンテストでの優勝、受賞歴を持ち、ムターだけでなくクレーメルからもその弦の鳴らし方の美しさは群を抜くと高い評価を得ているスペイン出身の若手チェリスト。

昨年、ソニークラシカルからデビューリリースしたReflectionsはOPUS Classic Awardを受賞して改めて録音においてもその演奏完成度の高さを見せつけた。今回はムター側との調整もついたという事なのだろう。

ムターにとってもダブルコンチェルトはカラヤンと共演して以来という事なので約40年ぶりとなる。同時収録は、ブラームスのこのチェロとヴァイオリンのダブルというコンセプトに明らかに批判的だったクララ・シューマンのピアノトリオを持って来ているところもまた面白い。最近、人気が高まっているクララがこの作品を書いたのは1946年とまだ20代に後半。所々にロベルト風の拍の取り方を意図的に取り入れたり、ピアノが主体となる第三楽章を取ってみても作曲家としての力量が充分に認められる作品でロベルトはこれに刺激を受けて自ら最初のピアノトリオを書くことにつながった。

多彩な音色、完璧な技巧、卓越した表現力などヴァイオリニスととして全てを備えていると言われるムターの演奏と、それを受け継ぐ弟子のフェランデスの輝かしいチェロの共演はなにかと話題の多いアルバムとなっている。

2011-1261


Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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