“Il Tedesco” Kapsberger : in Rome 1610

L’ Escadron Volant de la Reine

(harmonia mundi )


Giovanni Girolamo Kapsbergerは、ベネチア生まれでバロック初期に活躍したリュート、テオルボ、キタローネの名手・作曲家(1580−1651)。オペラの礎を築いたC.モンテヴェルディ、鍵盤楽器作品で有名なフレスコバルディとほぼ同時期の音楽家。父親がドイツ貴族であったためドイツ系の名前が付いている。

1610年からローマに出て活動を始めて教皇、貴族たちから絶賛され、ローマでは“ Il Tedesco” つまり「ドイツ人」と呼ばれておりこのアルバムのタイトルにもそれがつけられている。

撥弦楽器の曲がとても有名だが、歌も上手だったらしく声楽曲も残しているのだが、それらは余り評価されることはなかった。このアルバムではそのMadrigal,Villanellas, Ariaに焦点を当てるという企画。

アーティスト “L’Escadoron Volant de la Reine”は、「女王の飛行隊」という意味を持つ女性コーラスグループ。かの有名なメディチ家出身で後にフランス王妃になったカトリーヌ・ド・メディチの侍女達を呼ぶ名称からとってある。今回のアルバムは 名門レーベルharmonia mundiからの初のアルバムとなっており、練りに練った選曲と熱意のこもったパフォーマンスだということが窺われる。

Kapsbergerの性格は傲慢で癇癪持ちだったらしいが、彼の残した音楽は美しい。

2021−692

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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