LAMENTO

Iestyn Davies, Fretwork

(Signum Classics)

グラミー賞だけでなく英国勲章まで授与されている世界で最も素晴らしい声の持ち主の1人であるカウンターテナーのIestyn Daviesが、Violeのアンサンブルとして最高峰と言われるFretworkと組んだ作品。Fretworkは今年で結成35周年を迎える。


2019年に “if” というアルバムをリリースし、それがなかなか良い作品だったのを記憶しているが、それもFretworkとの共演だった。


今回、取り上げたのは17世紀ドイツの、声楽とVioleコンソールのための作品群。Schein, Scheid,Schutz, 大バッハの従兄であるJohan Christof Bachなどなどドイツ音楽の礎を作った作曲家達。


Violeという中世の楽器は、15世紀に始まったと言われ、16世紀には盛んに愛好され、18世紀以降は使われなくなっていくので、その廃れる直前の時期の作品集と言っても良いだろう。 

当時はまだコンサートなど大勢の前で演奏するわけでもなく、宮廷とか仲間内で演奏するため、大きな音を出す必要がないので、音量が控えめなのだが、その弱音のために音色が優しく、寝る前などに聴くことが多い。心が落ち着く大好きな楽器である。

中世の哀歌なので歌っている内容は当然キリスト教関連。ドイツ語(及びラテン語?)なので何歌っているのかは正確にわからないのだが、聴きどころは、ひとつの楽器のようなDaviesの美しい歌声とまろやかな中世楽器の音色がブレンドされたその味わいを楽しむもの。


また、ちょうどアルバムの真ん中ぐらいに、声楽曲に挟まれる形で、ScheinがVioleのために書いた『音楽の饗宴』2組を入れており、アルバム全体に変化をつけている。

2021-701

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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