Nazca Lines

University of Louisville Percussion Ensemble, Greg Byrne, Director 

(Centaur) FLAC 48kHz/24bit

アメリカの老舗レーベルCentaurからパーカッションの新譜。主にアメリカ活躍するアーティストを、現代音楽までジャンルに関わらず幅広く扱っている。高音質レーベルではないのだが、たまに、びっくりする程録音の優れたものがある。

打楽器系の評価は難しい。初めの部分を聴いて、ああ、こういう曲かと確認した後は別の事をしながら試聴するのが常ではある。全部同じように聴こえるアルバムも多い。それでも、配信すると「いいね」は付くので、その真価が分かり楽しむリスナーがいるということだ。

このアルバムは途中で日本の和太鼓のようなリズムがあったので、気になって見てみると、”Osaka Castle” という題名、ナスカの地上絵が表題ではなかったのかと思ったのだが、ナスカ関連3曲の後に、”4 postcards from Ancient Nihon” という四曲があった。

興味を引き更に調べてみると、Louisville大学はケンタッキー州にある。映画「グリーンブック」で主人公が巡業した町という記憶がある。この大学のpercussion ensemble のDirectorは、Greg Byrne氏で同大学の教授であり長年このアンサンブルを指導、優秀な教師でもあり何度もアメリカで表彰されているそうだ。

子供向けの教育にも情熱を傾け、日本にも何度も来ており、2011年の東日本大震災の被災時には宮古の小学校で演奏を主催したそうで、ここに日本との接点があった。

作曲家はMark Satterwhite氏。同じルイビル大学でも音楽理論を教えている。Centaurから「WABI」という日本的な作品を別途出しているが、これはByrne氏の委託によるもので、たぶん今回の作品も氏の依頼によるものではないか? 

もう少し知りたくなったのでご本人に連絡をとってみることにした。

曲の方は、金閣寺、龍安寺、弘前城、大阪城が題材になっており、題名を知った後で聴くと、なるほどそういう感じはあるなあと感じることはできる。

パーカッションのアルバムはスピーカーで聴くとその振動を体感できるという楽しみがあり、そのため音圧を上げた録音が多いのだが、このアルバムでは特定の打楽器が前面にでていることはなく、アンサンブルとしてのまとまりに重点を置いた録音になっている。

このアルバムのおかげで、知らなかったアーティストと日本との関係を知ることができた。やはり、とりあえずでも通しで聴くものだなと改めて感じさせてくれた一枚。

2021-737





Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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