TA’ MIG MED

Jesper Sivebæk, Guitar   (Our Recordings)   DXD 356.2/24bit 

試聴の際はあまり前情報は見ないので、聴き始めてこれはクラシックとは違う曲調なのでどういう音楽なのか不思議に思ったのだが。

2018年に亡くなったデンマークの国民的アーティストKim Larsen の名曲をギターで演奏するという試みであった。

日本では知る人はわずかだと思うが、 Kim Larsenはデンマークの音楽史上で100年に一度の逸材といわれていたポップ・ロックシンガー。ここで編曲されている原曲は全て聞いたが、風貌からはデンマークのボブ・ディランと言いたいところだが、どれもビートルズのように、もっと親しみやすく頭に残りやすいメロディの歌で、これは売れるだろうという曲ばかりだった。

クラシックギタリスト・コペンハーゲン王立音楽院教授でもあるJesper Siveraekは、Larsenの歌の持つシンプルな美しさと力強さを様々なテクニックを使って、クラシック・ギターならではの響きを持つ見事な独奏曲に移し替えている。

卓越したクラシック・ギタリストがポップの名曲をアレンジして取り組むとこうなるという見本みたいな作品。Larsenの熱烈なファンであったSivebækはこの作品づくりに随分と時間をかけたそうだ。

この仕事をしていると二回以上聴くアルバムは少ないが、これはもう十回以上聴いた。おまけに、元歌はアップル・ミュージックのプレイリストにして聴いている。日本人のLarsenファンが一人増えたと聴いたらSivebækもきっと喜ぶだろう。

2021-666



Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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