GRECHANINOV; All-Night Vigil

Latvian Radio Choir

グレチャニコフ(1864-1956)はロシアに生まれモスクワ音楽院、サンクトペテルブルクで学び実績を残したが1917年ロシア革命によりロシアを後にせざるを得なくなり欧州を転々としつつ最終的にはアメリカに渡り生涯を閉じた。92歳という長い作曲人生のなか、もちろん交響曲、管弦楽、器楽曲なども書いたがその名前は知られていないだろう。音楽の流行り廃りの大きな波の流れに巻き込まれた典型だろう。先輩のチャイコフスキー(1940年生まれ)・影響をうけたボロディン(1833年)と、彼の後輩のストラヴィンスキー(1882)、プロコフィエフ(1891)の作り出した音楽の波が大きすぎて、いい作品ではあってもその狭間に挟まれて作品の演奏機会がなくなり忘れ去られる。

ただ、おびただしい数の正教会の聖歌を作曲しており、その曲は今でも使われているため、合唱曲の分野ではしっかりとその名前を残している。

このタイトルにもある『徹夜禱』は正教の奉神礼用の音楽だが、この作品は正式の儀式用のものでなく演奏会用のものでもあり、重苦しいとか暗いという部分がほとんどなく明るい希望に満ちた感じがする。朝に聴いたりすると希望が湧いてきていいかもしれない。

2021-928


Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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