SAINT-SAENS; Carnival of Animals,MOZART;A Musial Joke

David Owen Norris piano, I Musici de Montreal (Chandos) 96Khz/24bit  

サンサーンス の『動物の謝肉祭』は豊かな音楽表現で各動物の特徴を掴んだ曲で子供向けによく紹介される楽しげな作品であるが、これが風刺に溢れた言ってみれば毒舌を結構含んだ作品だと知ったのは大人になってからだった。まず、様々な有名曲からの借用のパロディ。また、動物に混じって実は人間も登場している。『耳の長い登場人物』と『ピアニスト』。前者は批評家を、後者は練習ばかり繰り返ししているピアニストを皮肉っている。下手に弾くように指示してあるくらいだ。『化石』がその後に続くが、これはそういうピアニストの運命を言っているのだろうか? その後にこの組曲の代表曲、美しい『白鳥』という流れでサンサーンス の作曲の真骨頂をありありと見せつけている。モーツァルト並みの神童と言われてきたサンサーンスからすると皆平凡に見えたのだろう。

モーツァルトのK522は『音楽の冗談』と翻訳されている、本気で冗談として作った珍しい曲である。作曲上の作法をことごとく無視して、あえてセンス悪く作曲しており、下手くそな作曲家を揶揄した内容と言われている。1787年6月14日にこのへんてこな曲を作って、ほどない8月には『アイネクライネナハトムジーク』という一音すら無駄のない完璧な音楽を作っているというのは興味をそそる事実である。父親のレオポルドが無くなったのが同年5月なので、それと関係あると言う説もある。どうして、モーツァルトがこの曲を作ったのかが謎を呼び諸説ある作品。

因みに、モーツァルトはザルツブルクで行われた父親の葬儀にも立ち会うことはなかったのだが、自分の飼っていたムクドリが死んだ際には正式な葬式を行い追悼の詩まで書いたと言う。

2021-924

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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