Piazzolla Hi-Res Tribute

I solisti Filarmonic Italiani, Shinichi Fukuda, Tomoko Kawada (Meister Music) 192Khz/24bit

高音質ブティック・レーベルとして有名なマイスター・ミュージックからのデジタルだけのリリース。日本人で初めてのドイツ国家資格のトーン・マイスターである録音技師平井氏が立ち上げたレーベルで既に録音は1000枚に近く、そのほぼすべてが高音質アルバムとして評価されている。

世界に十数本しかない巨大な真空管マイクロフォンをひとつ(一対)だけ使用したワンポイント・レコーディングはリスナーがホールの最高の席で聴けることを想定してセッティングされている。実際にホールでのベストポジションは一席しかない。しかも、その数メーター上の部分らしい。私は100タイトル程度しか聴いていないないが、実際にはホールで聴くよりいい音を実現できている録音芸術だと思っている。

トーン・マイスターは録音からリリースまでの責任を持つ最終決定権者。そのOKが出ないと録音が公に公開されることはない。音楽家と同じ試験を受けて音楽院のいわゆる録音科(数人しか採らない)に入るわけなので、アーティストと同じ目線で芸術的に音楽を捉えて、それを技術的に録音という手段に落とし込んでいくわけである。ドイツ語圏・中欧・北欧のオーケストラ、レーベルでは必ずトーン・マイスターが録音するので、ベルリンフィル、BR-Klasic、コンツェルトヘボウ、Pentatone、Challenge Classicなど安定した高レベルの録音が出来上がってくる理由のひとつは演奏だけではなくこのような指揮者・演奏者と対等に話せる優秀な録音技術者によるからである。

今回のビアソラアルバムは、新イタリア合奏団、ギターの福田進一、ヴァイオリンの川田知子という屈指のアーティスト達の演奏。音質が良いと演奏も映える。今年は生誕100年なのでピアソラの新譜を何枚聴いたかわからないくらいだがコンセプトアルバムとしては音質面からしてもどうやらこれが決定版という気がする。

2021−977


Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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