Cantilena (Viola Sonatas)
Tabea Zimmerman , viola
ヴァイオリン、チェロと比べると残念ながら地味で作品も多くないヴィオラだがその音程は人の声に最も近いと言われており、実は意外と愛聴者が多く、ヴィオラのアルバムがリリースされると結構よく聴かれる。
タビア・ツィンマーマンは、非常に珍しいのだが子供の頃ヴィオラから始めたそうだ。ヴァイオリンから始めてあとでヴィオラに転向するのが普通だろう。そのような幼少から親しんだという経緯もあってか、ヴィオラの著名コンクールではジュネーブ国際をはじめとして軒並み優勝。今では当代きってのヴィオラ奏者として大活躍している。
また、最近ではアルカント・カルテットのメンバーとして何枚も優秀なアルバムをハーモニア・ムンディレーベルよりリリースしている。今回はファーリャ、カザルスというスペイン作曲家から始めてヴィラ・ロボス、ピアソラという南米の作曲家へ繋げるという選曲をしている。郷愁に満ちた落ち着いた濃い音色が特徴的。地味な曲を地味な楽器で地味に弾いているところが渋い。そんなアルバムなので最初は印象に残らなかったのだが、気になって何回か聴いているうちにスルメのように聴くたびに味わいが出てきたというアルバム。こういうのが本物というのだろう。
2021-986
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