The Magic Of Polyphony

Huelgas Ensemble (deutsche harmonia mundi) 

古楽に特化して質の高い作品をリリースしているソニークラシカル傘下のduetsche  harmonia mundi レーベルからベルギー拠点としルネサンス音楽演奏で名高い合唱団であるウエルガス・アンサンブルの作品。人の声が創り出す魔術的とも言えるポリフォニーのアルバム。

ポリフォニー(多声音楽)とは、例えば、ソプラノ、アルト、テノール、バスという4つの声部が、どれが主でどれが従という関係ではなく、それぞれが均等に絡み合って全体の音の綾を織りなしているもの。音楽史の中では主にルネサンス音楽の特徴で地域的には今の南ベルギーと北フランスの辺りであるフランドルを中心に発展した。美術のルネサンスと言えばイタリアから発展したのだが、こと音楽についてはフランドル地方がルネサンス文化の中心でここの出身者がイタリアをはじめとした他地域に行って推進していった。

このアルバムでは、Lassus, de la rue, Gombertというルネッサンス後期の大作家だけでなく、時代的にも地域的にもポリフォニーを広く俯瞰する内容になっている。900年ごろというおそらく記録に残るはじめてのポリフォニー音楽から19世紀ブルックナー の作品までが網羅されており現代の西洋音楽の底流を流れる音楽の一端を探るようなとても興味深い内容盛りだくさんで、CDにすると3枚組となる。このポリフォニーの音楽を聴くと中世のゴシック建築を思い出させるその曲の構造美と人の声の純粋さに心が安定するので結構好んで聴いているジャンルだ。

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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