Celtic Air

Barry Douglas , Piano.    (Chandos) 96khz/24bit

妙に懐かしさを感じて心をくすぐってくるケルト・ミュージック。『ダニーボーイ』とか『蛍の光』などなど知られているものは数多い。すんなり心に入ってくるのは日本の音楽で昔から使われている『ヨナ抜き』、4(F),7(B)音抜き音階が基本だからということみたいだ。

 そのケルトの音楽集と言うことで、普通は民俗音楽になってしまうのだが、普通でないのはバリー・ダグラスのピアノ編曲アルバムだということ。ダグラスは1986年のチャイコフスキー・コンクールピアノ部門の優勝者で既に巨匠と言ってもいい。北アイルランドのベルファスト出身の彼が故郷の音楽に思いを馳せて制作した。これにはよく売れた前作『Celtic Refrections』があるが、このアルバムではアイリッシュ・フルート(『タイタニック』のテーマ曲で効果的に使われている楽器)に加え、スコティッシュ・ハープ(小型のハープ)、フィドル(簡単にいうとヴァイオリン。イタリア語で派生した言い方がヴァイオリンで英語系統の言い方がフィドル)などのご当地楽器がさら加えられてトータルでまとまってケルト感を出している。ピアノが実に良かった前作の二番煎じみたいにせず、同じようには作っていないのが企画の優秀多ところ。超一流のアーティストによるケルトを素材にした優れたピアノアルバムに仕上がっている。

2022-15

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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