GOUNOD: Symphonies
Han Pascal Tortelier, Iceland Symphony Orchestra (Chandos) 96Khz/24bit
19世紀ロマン派時代フランスのグノーの交響曲は初めて聴いた。グノーと言えば誰でもどこかで絶対聴いたことのあるバッハの平均律クラヴィーアを伴奏にして曲を付けた『アヴェマリア』が知られすぎている。また、ビゼーの師匠だったこともあり名前は知らなくても決して忘れ去られている作曲家ではない。ただ、2作書いた交響曲はほとんど演奏されないし録音もとても少ない。どんなに人気のない交響曲なのかと思っていたがずいぶんといい曲だった。
1816年パリに生まれたグノーはパリ音楽院入学、後にローマ大賞を受賞しローマに留学というフランスの優秀な音楽家の典型的な出世コースを辿った。
因みにその頃の作曲家として、ベルリオーズは1803年、メンデルスゾーン1809年、ショパンとシューマン1810年、リスト1811年、ワグナーは1813年生まれ、クララ1819年という新しい時代の音楽を形づくる音楽家達が排出されていった。ベートーベンは1827年に亡くなる。
そのローマ留学時代に出会ったのがファニー・メンデルスゾーン(1805-1847)で、交流を通じてドイツの音楽ばかりでなく文学からも大きな影響を受けた。グノーの回想記では作曲家としてのファニーに心酔している。
その後のグノーはフランス人でありながら頑張ってドイツ語を習得しドイツ文化にのめりこんでいく。それが結実したのが歌劇『ファウスト』と言えそうだ。
1955年ごろに書かれたこの二つの交響曲もその前にハイドン、モーツアルト、ベートーベン等を随分と研究したと言われている。
そのため、しっかりとした古典派様式を守ってはいるのだが、内容は親しみやすいメロディと爽やかなリズム感をもったシンフォニーだった。
簡単に言えば1番はハイドンっぽくて2番はベートーベン、メンデルスゾーンっぽいのだが颯爽としているところが独自のスタイルだろう。
このアルバムはアイスランド交響楽団によるものだが、フランスの交響楽団からもっと演奏の機会がでてきてもおかしくない。今まで録音が極端に少ないのが不思議だ。
2022-21
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