FAURE:13 Barcarolles
Jean-Philip Collard ,piano
ヴェネツィアのゴンドラ漕ぎがうたう歌をモチーフにした『舟歌』はチャイコフスキー、メンデルスゾーンなどが有名なピアノ小品を作曲しているが、舟歌といえばガブリエル・フォーレ、フォーレといえば舟歌というくらいその作品集は傑作として知られている。
13番まで作曲したのでよっぽどヴェネチアが好きだったのだろうが訪れたのは一度だけらしい。彼はその生涯(1845〜1924年)を通じて舟歌を作曲したので創作の変遷も感じることができる。初期はずいぶんとロマンチックだが、中期で半音階が増えて内面的な傾向を見せて晩年は特に傑作と言われる優しい音楽になるという具合。波を打つように繰り返される6\8拍子がいい感じだ。
1948年生まれフランスの世界的ピアニストJean-Philippe Collard は母国の作曲家ラヴェル、フォーレなどのレパートリーでよく知られるがこれが2度目の録音ということ。ただ前回は40年前も昔の話し。
フランスのブティックレーベルLaDolce Volta は10年前に設立され規模は小さいので多くのアルバムを次から次へと発行するわけではないが、毎回リリースされるアルバムの質がとても高いので注目している。アルバムジャケットを含めてアートと考えており美しいデザインのものも多い。今回リリースのコラール、数ヶ月前のルイサダなど既にお金も名誉もあるピアニスト達が敢えてこのブティックレーベルを選ぶのにはそれなりにアーティストに気に入られる制作ポリシーがあるということだろう。
2022-74
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