WILMS: Piano Concertos Vol.1

Ronald Brautigam fp, Koelner Akademia (BIS) 96Khz/24bit

Johann Wilhelm Wilner は、オランダのドイツに近い小さな村で1772年に生まれアムステルダムでピアニスト、フルート、オルガニスト兼作曲家として活躍した。1847年に亡くなったので、1770−1827のベートヴェンとほとんど同じ時期の人物でオランダでは盛んに演奏されたというが今となっては一般人にとっては全く知られていない。ちなみに、オランダ人に聞いてみたところ知っていた。なぜなら、彼の曲はオランダの国歌になっているということだった。それはすごいことだ。全然知らなかったがふつう他国の国家の作曲家なんて知らないのが普通だろう。

交響曲は7曲、ピアノ協奏曲は5曲、その他本人がフルートも吹いたのでフルートの曲中心にかなりの楽曲を残して意外なことにそこそこ録音もされている。おそらく、オランダのアーティストによるものが多いのだと思う。このアルバムはシリーズで出されるようで、まず三曲が収められている。作品番号が若いop.3からop.26なので作風の変化というものは当然あるけれども、古典派から浪漫派に移行する時の人なんだなという印象の曲で、決して悪くない。当時の誰もがハイドン、モーツァルト、ベートーベンの影響は受けているので、部分的に似ていたりするけれどもベートーヴェン とは違う形で浪漫派的なアプローチを取っていった作曲家なのだなと感じる。概してのどかな印象があるのは奥さんの家柄が裕福で生活には困らなかったからなのかもしれない。生涯独身でいつもお金のことを気にせざるを得なかったベートヴェンとは随分対照的だ。

Ronald Brautigamはルドルフ・ゼルキンに師事した世界的に有名なピアニストでベートヴェンの一連のアルバムが高く評価されている。もちろん、オランダ人である。

2022−781

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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