HILDEGARD: St.Ursula&11,000 Virgins
Anonymous 4, (harmonia mundi) 44.1khz/24bit
ビンゲンのヒルデガルド(1098-1179)の音楽を聴くたびに、1,000年も前の欧州にこのようなスーパーウーマンがいたという事実に驚かざるを得ない。数々の幻視とその解釈により当時の聖職者から敬われ、皇帝、教皇と文通し、薬草学の本を書きヒルデガルドのハーブ療法みたいな本は今でも人気があるし、宝石学の本も書いた。さらには作曲も行い約80曲が現存している。ヒルデガルドにとっての音楽は修道院での日課に欠かせないもので、賛美の歌は天上の調べでありそれは聖霊によって教会に根を下ろしているもの。魂はシンフォニー(合唱)であるとしている。ヒルデガルドは著書、手紙にて音楽の起源についても記述してあり、これもまた幻視から導かれたものだ。不思議な幻視の図を含めてこれらが現在まで残されていることもまた驚きだ。
このアルバムでは、『聖ウルスラと11,000人の処女』の殉教伝説に基づいて、聖務日課の一つであるラウドの為に書かれたものを収録してある。ベルギーのデンデルモンデにある修道院には、デンデルモンデ・コーデックスと呼ばれている原稿集の中にヒルデガルドのオリジナル原稿の一部が残されておりそこからのもの。アルバムによってはCodex 9と書かれていたりする。ヒルデガルドの療法に沿ったハーブティーでも飲みながら聴くと身も心も癒されそうだ。
2022-795
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