BEETHOVEN : String Quartet No.15 (Orchestra ver.)

Cleveland Orchestra, Franz Welser-moest (The Cleveland Orchestra)  48Khz/24bit

ベートーベンの弦楽四重奏にこんな曲があったっけなあと思ってよく見てみると、クリーヴランド・オーケストラによるフルオケバージョンだった。ニューイヤーコンサートでもお馴染みのフランツ・ウェルザー・メストがここ20年音楽監督を務めてきて現在アメリカで最高峰という呼び声のクリーヴランドオーケストラが2020年に自己レーベルである”The Cleveland Orchestra” 名義で出した初めての音源3CDセットSACDからのデジタルカットハイレゾ版。『新たなる世紀』という題名が付けられている。

美しい旋律線を持つ弦楽四重奏15番はベートーベンの死の2年前最晩年に完成させた五楽章構成で演奏は40分以上かかる作品なので長さは交響曲並みと言えるし元々第五楽章は第九交響曲の終楽章として草稿されたものなのでオーケストラ化との相性はいいのかもしれない。全オケ演奏なので交響曲みたいな響きだけれども交響曲的な盛り上がりというものはそんなにあるわけではない。このバージョンの好き嫌いは分かれると思うが、音はすごい。オーケストラ自体の音色のしなやかさと重厚な迫力のバランスがとれていてそもそものオリジナルの音質がいいのと録音が優れているのでその魅力が充分に伝わる。マスタリングも相当力を入れた様子が窺える。何しろ最初のアルバムなのだから。

カップリングのヴァレーズのアメリカという曲は大規模オーケストラを最大に使って鳴らす作品でクリーヴランドのオーケストラを楽しむにはうってつけの選択だったのだろう。

2022-816

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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