MOZART/Voříšek Symphonies

Herbert Blomstedt, Gewandhausorchestra ( Accentus) 96Khz/24bit

ブロムシュテットというだけできっと安心して聴けるという期待、そしてそれを裏切らない。来月7月に95歳となるマエストロの新リリースで録音自体は2020年。流行りのピリオド楽器を使うわけでも遅いテンポにするわけでもない。現代に生きる我々が現代楽器を使って演奏してその音を聴くのは自然なことだ。若いころの指揮ぶりは知らないのだけれども、もう自らのスタイルを貫いているところがファンの多い理由でもあるのだろう。この予定調和感が実に落ち着き精神的によい感じがしてまた聴いてしまう。「えっこれライブなの」と後からクレジットを見て知ったがそれぐらい完成度も高い。

このアルバムは1964年から1968年までゲヴァントハウスのカペルマイスターを務めていたチェコの名指揮者ヴァーツラフ・ノイマンに因みモーツァルトの『プラハ』とヤン・ヴァーツラフ・ヴォジーシェク(1791-1825)の作品を取り上げている。ヴォジーシェックはモーツァルトが亡くなった年に生まれたんですね。でも34歳で早逝してしている。交響曲はまさにその頃の古典派という感じがしてモーツァルトっぽいところがあるけれでもベートーベンと同時代人なので時代も下っていて、構成が緻密で魅力的な作品だと思う。でも、こういう組み合わせで無ければ聴く機会もなかっただろう。

昨年ようやく日本語訳が発売されたブロムシュテットの自伝を読みながら聴いていると指揮の背景とか信条に深く関わっている宗教感がよくわかり、なるほどと納得感が深まってくる。来月の誕生月ではDGからシューベルトが予定されており今でも予定はびっしりらしい。この歳まで衰えずに元気で指揮者という重労働をこなせるのは完全な菜食主義者ということと関係あるからなのかもしれない。100歳を越えても元気に指揮棒を振ってくれることだろう。

2022-850


Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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