Charlotte (Original Motion Picture Soundtrack)

Michelino Bisceglia (SonyClassical)


アンネ・フランクのことを知らない人はまずいないと思うが、ドイツのユダヤ人Charlotte Salomon のことはあまり知られていないだろう。1917年に生まれナチスの迫害を逃れて南フランスに隠れて創作活動をしたのだが、1943年10月に捕まってしまいアウシュビッツに送られ、妊娠していて働けなかった為に直後にガス室に送られてしまった。アンネ・フランクは文章によってだがシャルロッテの場合は絵によってその生涯の刻印を残した。迫害が始まってから描かれた『Life? or Theater?』と呼ばれる作品群は、ムンク、シャガールのようなイマジネーションを働かせたようなタイプの絵画だが、それぞれの絵画にはナンバリングがあり、彼女自身がジングシュピールと呼ぶ(ジングシュピール自体は18ー19世紀にドイツ語で演じられた芝居) 一連の作品集になっており700枚を超える。画集で代表作しか見た事はないが解説を読むとそれぞれの作品の意味しているところは重くて深い。

2015年に準自伝が発売され、その短いながらも衝撃的でもある人生、例えば代々自殺者が多い家系にまつわる話とか、祖父との関係などが明らかにされ注目をされ、このアニメーションフィルムが作られることになった。シャルロッテ役にはキーラ・ナイトレイが参加している。

私自身、友人であるMichelino Biscegiliaがこのアニメの音楽を作っていなかったらシャルロッテの事を知ることはなかったろう。細かい細工は全くせずに単純な旋律の美しさによって映画のシーンを引き立てる様にして、ピアノも自分で弾いたと言っていた。モリコーネを思わせる美しくも哀しげな音楽を持つこのアニメーション・フィルムは2021年バンクーバーインターナショナルフィルムフェスティバルのMusic/Art/Design部門でアワードを取った。

2022-855

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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