COPLAND : Piano Concerto,El Salon Mexico,Appalachian Spring

Aaron Copland,Piano / Lenard Bernstein etc (Praga) 96Khz/24bit

アメリカの作曲家として真っ先に名前が出てくるのがアーロン・コープランド(1900-1990)。両親がリトアニアからの移民で元々のカプランという名前をアメリカ風のコープランドにした。留学先のパリではナディア・ブーランジェに師事してピアノを習い、ついでにソルボンヌ大学でも学び、同時代にパリにいたピカソ、ヘミングウェイ、シャガール達とも親交を結んでいたので絵画、文学などからも大きな影響を受けたに違いない。

長いキャリアの中では十二音階作品なども書いたが、新しいアメリカの音楽を模索し続けた人なので基本的には親しみやすい音楽を世に出し続けた。アメリカのレーベルからは毎年多くの録音が出る人気作曲家。

このアルバムは古い名盤をリマスターして恐ろしく音質の良いものに変えているので有名なプラガ・デジタルからリマスターSACDで出されていたもの。プラガは創業者が亡くなってから事業停止しているので旧譜のCDすらもう作られないが、デジタル版はSACD音源を元にした新しいリリースがある。SACDなのでデジタルにするとDSD64,PCMなら96khz/24bit。これはプラガにしては珍しいアメリカのもの。

コープランドの最も有名なタイトルばかりだが聴いてみたいのは『ピアノ協奏曲』でしょう。1964年ニューヨーク・リンカーンセンターでの録音はNYフィルをバックにコープランド自らがピアノを弾き、指揮はレーナードバーンスタイン。曲自体は1926年の作品なのでまだコープランドが1936年に『エル・サロン・メヒコ』で広く認められる前26歳の作品。ピアノ独奏はやや前衛的で且つ全体はジャズの要素が多分に入っている。若いコープランドが新しいアメリカの音楽を探して四苦八苦していた頃の意欲的な作品。当時は時代を先取りし過ぎていて見向きもされなかったというが、その後クラシックにジャズを融合させるのは当たり前になってきて今ではカプースチンなども大人気になっている。ここで指揮をしているバーンスタインにしてもコープランドに大きな影響を受けて自らの作曲をしている。

コープランドが好きな人にとっては興味深く楽しめるアルバムで、知らない人にとっては好いイントロダクションのひとつになると思う。

Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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