Bach on the Bassoon

Bram van Sambeek  (BIS) 96Khz/24bit

ファゴットの新たな魅力を探るべく様々な音楽に挑戦しているオランダ出身のブラム・ファン・サムベーク。彼はロッテルダムフィルの主席ファゴット奏者でもある。今回のアルバムはオール・バッハで、最初の曲パルティータ第2番ハ短調はなんと全て自ら吹いた八重奏でもちろん多重録音。なるほど、それでアルバムジャケットの写真がファゴット8本だったのかと納得。ナチュラルな演奏とするための多重録音はとても骨の折れる仕事だったそうだが、そうと知らないでの試聴では全く一人8役とは気が付かない自然なものだった。

他にフランス組曲第5番ト長調、無伴奏フルートのためのパルティータ、無伴奏チェロ組曲第1番などの編曲版でバッハの精巧な対位法、複雑に絡まり合う声部などを巧みにファゴットで表現している。録音は高音質録音で定評のあるBISレーベル。

オーケストラに無くてはならないファゴットだが、音量自体が大きくない為なかなか主役にはならないが、たまにリリースされるファゴット奏者によるソロアルバムは結構人気があってよく聴かれる。普通のファゴットはチェロと同じぐらいの低音域でダブルリードで出されるあの特徴ある音色が好まれているのだと思う。サムベークのような名手はこの吹きこなすのが難しい楽器を軽快に鳴らす事ができてその妙義に酔いしれるのもまた魅力の一つになっている。

                                    2022-1180



Classic Music Diary

仕事で年間1,000枚程度クラシック・ジャズのハイレゾ新譜を聴いています。毎日4-6枚試聴する中から気になったものを日記がわりに書き留めていこうと思います。

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